離婚は結婚より何倍も大変だと、後から思い知った話☆

自作小説(タロット)

結婚生活に燃え尽きた女とすがりつく男の離婚バトルの幕開け☆

 

 

※一話完結ではありませんが、このお話のみでもお楽しみいただけます

 

Pick up TAROT

「WANDS Ⅹ ~ワンド10~」

☆聞き逃してはいけないあなた自身の悲痛な叫び

自分のだけじゃなく、誰かの期待や責任、困難など色んなものを背負ってここまで来た。前も見えていない状況でただ前進していただけで、気づけば進むべく目的地に向かっているのかもわからなくなってしまっていた。そして、抱えてきたものが重荷となって私に圧し掛かり、心も身体も限界を知らせる悲鳴を上げ始める。このままでは、きっと私はつぶれてしまうだろう。

ふと、抱えてきた多くのものに目をやる。これまで大事だと信じて背負ってきたけれど、今の自分に必要なものは果たしてどれくらいあるのだろう。

望む未来への道へとまた歩み出す為には、これまで背負ってきた荷を降ろす勇気がいる。勇気を出して重荷から解き放たれたのなら、きっとどこへでもどこまででも行けるだろう。

 

「WANDS Ⅶ ~ワンド7~」

☆抵抗すべき相手には、たとえ孤軍奮闘でも勇敢に抗うのだ

一時的な成功もつかの間、一難さってまた一難。人生には度々困難やトラブルが降りかかる。

自分の意志を貫こうとすればするほど批判や攻撃を受けたりもするけれど、自分の信念や夢など大切なモノを守る為に、例えたった一人でも闘わなくてはいけない時がある。泣き寝入りしたり諦めたりすることなく、抵抗し勇敢に立ち向かうのだ。攻撃は最大の防御である。

今は追い詰められ苦しくても、自分にとってこれは必要な戦い。自分のプライドをかけて最後まで向き合い、乗り越えた先には必ず道は開けるだろう。

 

 

第四話「お役御免」 ~ワンドの10と7~

完全燃焼と限界

私は宮地環奈(カンナ)。夫の直人(ナオト)と結婚生活を始め、1年も満たない時に借金が発覚した。借金の原因は、ナオトの趣味であるパチンコだった。

 

借金が発覚してから約1年少し経ち、そして借金がようやく完済した時の話である。

 

借金返済のこの約1年で、私の中であらゆるものが変わっていった。その中でも、愛情やら情熱やら、ナオトに対する「情」が無くなっていったのは大きかった。

 

約10年の交際期間に定着していたはずのものが、無くなるのは2年もかからなかった。「私は何をしているんだろう?」と何度も思った。そんな空虚感に苛まれる日々だった。

 

借金を返すまで…と自分をなんとか奮い立たせてきたが、それももう終わる。今はまさに「私の役目は終わった」と、燃え尽きた状態であった。

 

そして、私の悩みは「結婚出来ない」から「離婚出来ない」となる。

 

そして、火蓋は切られた

借金の完済が済んで少し経ったある日のこと。上機嫌で帰宅していたナオトに、私はいよいよ離婚を切り出した。

 

ナオトはキョトンとしてすぐには理解できない様子だった。そして、「借金が無くなったのに、どうしてそんなこと言うんだよ?」と困惑。そんな様子に、「この男は本当に私の異変にもまったく気づかずこれまで過ごしてきたのか…」と半ば呆れ返る私。

 

そんなナオトに私は冷静に淡々と自分の気持ちを伝えた。もう借金は無くなったので、解放してほしい…と。

 

しかし、納得のできないナオトは、「他に男でもいるのか?」と、不倫を疑うような質問をしてくる。もちろん、すぐ否定しましたけども。

 

次第に私が本気だということだけは伝わったようで、ナオトは必死にあれやこれやと言い始める。往生際が非常に悪い…。

 

「借金が無くなってやっとこれから夫婦らしい生活が出来るのに、どうして!?子供だって欲しければ作ればいいし、今まで行けてなかった旅行にも一緒に行ったりしてもいい!これまで通り二人で楽しくやっていけば何の問題もないじゃないか!」

 

いやいや、子供って…。私は今まであんなに欲しいと言ってもスルーだったのに、何を今更言っているんだ、この男は。これまで通り楽しく…少なくとも、この1年は全然楽しくなかったですけどね?何の問題もない?大ありだよ!!!

 

ナオトが必死になればなるほど、私の気持ちは更にどんどん冷めていく。むしろ心が凍りそうだ。

 

こうしてナオトは離婚に納得せず、結局その日は話が平行線のまま終わってしまった。そして、その日からナオトのご機嫌取りが始まった。

 

ずっとなかった夫婦の営みも迫られるようになり、それには気持ち悪さすら感じてしまった。曲がりなりにもかつては好きで結婚までした人なのにな。

 

元々ある程度話し合いや手続きが終わったら、私はすぐ家を出ようと思っていたけれど、ナオトの必死さにいたたまれなくなってしまい、予定より私は早く家を出ることにした。

 

ナオトにとっては青天の霹靂かもしれないけれど、私にとっては半年以上も前から考えていたこと。ゴタゴタするのも想定し、仕事もまとまった休暇と勤務の減少を前から申し出ていたり、着々と水面下で準備を進めていたのだ。

 

今後は職場からはやや遠方(とはいっても、1時間以内では行けるのだが)の実家にいったん帰り、職場にはしばらく実家から通うつもりでいた。

 

色々な事は予め準備しているので、あとの問題はまずナオトが離婚に承諾してくれるのを待つのみなのだが、なかなか首を縦には降ってくれない。

 

結婚できずに悩んでやっと結婚したのに、今度は離婚出来ない事で悩むなんて皮肉なものだ。そして、結婚より離婚のほうがはるかに難易度が高いとも痛感することとなる。

 

 

どんな時も味方になってくれる親の有難さ

前もって実家の両親にも連絡し、事情を説明しておいた。両親共にもちろん最初は驚いてはいたが、事の経緯を説明すると私の決断を尊重し、味方になってくれた。

 

予定より早く実家に帰った時も驚いてはいたが、あたたかく迎え入れてくれて本当に有難かった。

 

脳梗塞で軽度の麻痺が残っている父は、リハビリのおかげでだいぶ動けるようになっていてよかった。そのおかげもあって、以前よりも母の負担も減ったようで一安心。

 

「辛かっただろうに…今まで何の力にもなれなくてごめんね。」と母には申し訳なさそうに言われたが、そもそも私が何も伝えてないし、父も母も知る由もなかったのだから。

 

「むしろ、心配かけてごめんね」と、私は父と母に謝った。そんな私に父は「お前の実家なんだから、好きなだけいればいい」と優しく言ってくれるのだった。

 

お父さんお母さん、ありがとう…。

 

久々の実家はあたたかくて、これまでの疲れた心も身体も癒されていくようだった。

 

 

胸騒ぎ

実家に戻って数日も経たないうちに、ナオトから連絡が入った。「もしやり直すというなら、離婚と言ったのを取り消してもいいよ」と。また訳の分からないこと言ってきたな、この男。

 

離婚と言ったのは決して一時的な気の迷いではない。今も気持ちは変わらないことを再度伝えると、「最後のチャンスをあげたのに…残念だよ」と、またもや上目線の返答が返ってきた。

 

挙句の果てには、「じゃあ、今後の事を話し合うから一度帰ってきてね。」とガチャ切りされましたけど~~!?は???なんなの、もう!

 

そんな一方的で横柄な態度のナオトに腹が立ちつつも、「でもこれでやっとケリがつくかもしれない」と怒りを何とか鎮める。そして後日自宅に一旦帰ることにしたのだが、家に入ると余裕そうな顔のナオトと私を睨みつける義母、そして神妙な顔つきの義父がそこにはいた。

 

意味ありげに含み笑いを浮かべるナオトに、私はどこか胸騒ぎを覚えるのだった__。

 

 

先制攻撃を食らう

家に入って開口一番、「勝手な真似をして…なんて嫁なの!」と義母から受ける先制攻撃が始まった。そして反論する間もなく、攻撃は次々と繰り出される。

 

「離婚したいと言ったそうね?私はむしろ全然そうしてくれてかまわないけどね。家の事もせずに夫もほったらかしで許されていたのが、そもそもの間違いなのよ。嫁としての義務も果たさないのに、そんな役立たずを養うだけムダなのに。そんな嫁でもナオトは情けをかけて繋ぎ止めてあげているというのに…ナオトの優しさにこれ以上甘えないで!」

 

相変わらずだが、言いたい放題だな。

 

以前の私は、義母の心無い言動に度々傷ついてきた。でもそれは、義理の親子として少しでも仲良く出来たら…と、歩み寄りたいと思っていたから。しかし、私の中で「離婚」の文字しかない今は、この人の罵倒なんて痛くもかゆくもない。ましてや、ご機嫌を伺う必要もないのだ。

 

これだけ言われたらさすがにムカつくけどね!私だって聖人君主じゃないんだから。でもとりあえず冷静にならなきゃと、怒りを抑えながらただ黙って聞くスタンスを取る。

 

そんなやり取りが少し続いたが、「まあまあ、母さん落ち着いて」とナオトがようやく止めに入る。「いやいや、もっと早く止めろよ」と、義母に罵られた事よりも正直ナオトに内心怒りを覚えたが。

 

そして、ナオトが話を始めたのだが、「俺は今もこれまでもカンナに愛情を持って接してきたつもりなのに突然離婚を切り出されて正直、困惑している」といった内容だった。

 

自分が知られたくない事には触れず、相変わらず自分に都合のいいことばかりだな。自分を悲劇のヒーローとばかりに酔ったように話す姿に、私は正直ドン引きしていた。

 

 

孤立無援

これまで存在感なく空気だった義父も口を開き始める。

 

「カンナさん…日々暮らしていると、お互い思う所は色々出てくるだろう。結婚とは楽しい事ばかりじゃないからね。お互い譲歩したり時には妥協も夫婦には必要だと思うよ。」

 

いつもは中立の立場を取り、時には私に優しい言葉をかけてくれる義父。でも今日はナオトや義母の言い分を鵜呑みにしているようで、やんわり私を説得してきているように見えた。まぁ、ナオトや義母に比べたら全然的を得ていることも多いし、私が傷つくような罵倒はしないけどね。

 

しかしそんな場の様子に、「あぁ、義父までも…。そっか、ここに私の味方はいないんだな…。」と痛感。義母にいたっては「こんな嫁は要らないけど、反省して謝るなら…」とか言い始める始末だし。一人の人間を複数で袋叩きしてくる人たちに、私はもはやゲンナリしていた。

 

そんな中、うすら笑いを浮かべたナオトが「どうしても離婚したいのならば、慰謝料を払ってもらうよ。」なんて言い出す。

 

仮にナオトが離婚しないと粘るなら、手切れ金も仕方ないのかなと思う所もなくはなかったけれど。しかし、ナオト自身に「慰謝料払え」なんて言われたら、それは勝手が違ってくる。

 

「どうして私が慰謝料を払わなければならないの?おかしいでしょう?」と、そう抗議する私にナオトは「その理由は、カンナが一番わかっているだろ?」とドヤ顔してきた。うわ、怖っ!

 

「それってどういう意味?」と眉をひそめたその時、ピンポーン!と玄関のチャイムが鳴る。「こんな時に誰だよ!」と少しイラつきながら玄関へ向かうナオトに、私もついていった。

 

玄関のドアを開けると、そこには意外な人が立っていた__。

 

 

<次回へ続く>

 

結婚という幻想に夢見て実際それを手にいれると、一気に現実に引き戻され、そのギャップに幻滅したり、限界を迎えてしまう事も多々ある。

 

結婚は修行とはよく言ったものだが、それに対して苦行とは離婚の事なのかもしれない。

 

離婚による疲労は、結婚の何倍なのだろうか__。

 

長い年月かけて積み上げたモノがあっという間になくなってしまうこともあるし、逆に、背負わなくてもいい荷物をいつのまにか背負わされて潰れそうになっていることもある。

 

自分をごまかして、これからもしょい続けていくつもりなのかと自分に問いかけてみる。

 

あなたが何よりも聞くべき“声”は、自分自身の悲鳴(SOS)なのだ。

 

 

Pick up “名曲キーフレーズ”

「絶体絶命」EGOIST より引用

「星はまた回れると 信じてきたのに “救い”という詩を書いて
糸を紡ぐように 作ってきた 我らの絆は ここで笑っている」

「“今まで愛した過去”という歌は この一瞬を超えて 未来になれるなら
運命と時間 相容れない 絶体絶命 明日の位置」

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