勇気と決断力がないあなたへ贈る☆アラサー女子の奮闘記

自作小説(タロット)

時には力づくでも運命の歯車を回さなければ、人生という物語は始まらない☆

 

 

20年以上前のドラマで、「29歳のクリスマス」という名作をご存じだろうか。

 

女優の山口智子が演じる主人公が、29歳の誕生日に円形脱毛症になる。そして、更に彼氏に振られるという踏んだり蹴ったりのところから物語が始まる。

 

そんな主人公に共感した視聴者も多かったのではないかと思う。

 

しかし私はというと、当時はいまいちピンと来ていなかったが、年齢を重ねていくうちに、主人公たちの痛くも凛とした生き様が刺さるようになった。

 

アラサーは、得体のしれない不安と焦りがなんとなく湧き出てきたりする時期でもある。

 

特に女性の場合、出産を考えているならばその“タイムリミット”問題は避けられない。

 

「結婚はまだか」「子供早く産まないと」等、周りもプレッシャーをかけ始める。それによって、湧き上がる不安と焦りにも更に拍車がかかってしまうのだ。

 

後から冷静になってみると「なんであんなに焦っていたんだろう?」と思うのだが、「早く結婚しなければ…」という強迫観念が、結婚適齢期の女性を惑わしてゆく__。

 

そんなアラサー女性のひたむきな生き様の物語を、ここに綴ります。

 

ストーリー目次など 「エピソード0 愚者の戯言」

 

Pick up TAROT

「WHEEL of FORTUNE ~運命の輪~」

☆回避できない運命の分かれ道と変化

絶えず変わりゆく時の流れを表す運命の輪は、時に人間の力など及ばないような変化をもたらす。

だからといって、自分の意志を持たずにその流れに翻弄されるだけになれば、運命の渦に飲み込まれてしまうだろう。

変化を恐れず飛び込むことも、そして時には運命に抗うように自分の意志を通す事が必要であり、幸も不幸もどちらも経験することが人間を成長させてくれるのだ。

 

「MOON ~月~」

☆その不安は予兆か幻想か

月の裏側は見ることが出来ないように、見えていることは全てではないということ。むしろ、大切なことは見えないことの方が多い。

見えないものへの恐怖は不安も掻き立て、足がすくんで動けなくなってしまったりするのだ。

また、月は満ち欠け変化するものであることから、感情の浮き沈みも表し、それがまた不安を増長させてゆく。何が本当で何が幻か、よく理解すること。

そして、もし、例え「危険」であっても本能が「進め」と言うのならば、それが茨の道であろうと、人からは「間違った道」と言われようと、進むべき「正解の道」なのだろう。

先の見えない暗闇やまだ踏み入れていない未知の領域に怯え続けるのであれば、思い切って飛び込むのもいいかもしれない。実際その道を行ってみなければ、正解も不正解もないのだから。

 

 

 

※一話完結ではありませんが、このお話だけでもお楽しみいただけるかと思います☆

 

第一話「独り相撲」 ~運命の輪と月~

私と恋人

私は神月環奈(カンナ)、29歳で看護師をしている。私には看護学校に通っている時に友人の紹介で知り合った、宮地直人(ナオト)という8歳年上の恋人がいる。

 

私は一人っ子だし高校も女子高だったこともあって、男性に免疫があまりなく…そんな私にとってナオトは初めて出来た彼氏であり、付き合った当時はとても舞い上がったものだ。それに年上というだけでなく、既に社会人だったナオトが私にはものすごく大人に見えたのだ。

 

「この人といつか結婚するのかな…☆」

 

そんな将来を夢見ながら、順調に付き合いを重ねていっていた…つもりだった__。

 

結婚したい女としたくない男

看護学校を卒業した後、総合病院で看護師として働き始めた。ナオトとはお互い一人暮らしをしており、はじめはそれぞれの部屋を行き来していた。しかし、病院の勤務は時間も不規則だったのもあり、気づけば半同棲状態になっていた。

 

早く結婚して子供が欲しかった私は、ある時ナオトに思い切って結婚について聞いてみたのだが、気ままな独身生活に満足しているらしいナオトの反応はイマイチだった。わかってはいたけど、やっぱりショック。

 

ナオトはパチンコが好きで生活費以外の給料のほとんどをつぎ込んでいたようで、社会人になってからだいぶ経つのに貯金もほとんどなかった。もっとも、それを知ったのは付き合ってだいぶ後になってからだったが。

 

でも、借金をしているわけでもないみたいだし、彼が働いたお金をどう使おうが私にはどうこう言えるはずもなくて。ということで、その辺はあえて触れないで付き合ってきたのだ。

 

しかし、結婚を渋る理由も、自分が自由に使えるお金がなくなるということが大きいようで、そもそも結婚資金もないから今は結婚出来ないとも言われてしまった。そうなってくると、ナオトの浪費癖はますます見過ごせなくなってくるのだが…どうしたものか。

 

とまぁ、そのように何年も結婚をかわされ続け、気づけば私ももう20代後半。このままズルズルとなんの進展もないままなのだろうか…女には出産というリミットがあるのに!

 

日に日に私の不安と焦りは大きくなる一方だった。

 

 

強行突破

彼の煮えたぎらない態度に痺れをきらした私は、いよいよ強硬手段に出ることにした。「結婚資金は全て私が出すから、結婚してほしい」と、逆プロポーズしたのだ。

 

しかし、それでもナオトはすんなり承諾しなかった。まあ、でもそこは想定内。今までだって結婚に対してずいぶん匂わせてはきたし、それでもスルーされていたのだから。

 

でも、今回ばかりはこれで怯む私ではなかった。「もし結婚出来ないのならば、ナオトとは別れて婚活する」と、私なりの覚悟を伝えたのだ。

 

私から“別れ”を口にされると思わなかったようで、ナオトは明らかに驚いた様子だった。そして、ナオトもとうとう折れ、なんとか結婚する運びとなったのだった。多少の無理やり感は否めなかったが、こうして念願の結婚が決まった。

 

しかし、この時が一番幸せの絶頂だったということを、この時の私はまだ知らない__。

 

他の選択肢が考えられない

その後、結婚の報告をするため、職場の先輩である山瀬灯里(アカリ)と後輩の白石鈴乃(スズノ)を食事に誘った。この二人とは公私共に仲良くさせてもらっており、日頃から強い信頼を置いている。

 

二人も同じ看護師として多忙な日々を送っており、特にアカリに関しては既婚者で一児の母でもある。スケジュールを合わせてもらうのは気がひけたが、快く二人が予定を空けてくれたおかげで、“食事会”という名の結婚報告の場を設ける事が出来た。

 

この二人にはナオトの事も色々と相談に乗ってもらっていたのもあるので、きちんと報告したいと思っていたのだ。かなり心配かけたしなぁ…。

 

結婚の報告をすると、「そうなんだ!?よかったね!でも…本当に結婚しても大丈夫なの?」と、祝福と同時に心配の声もあがる。二人が心配するのもよくわかる私は、思わず苦笑いをした。ナオトとの結婚については、ナオトの金遣いの事だけでなく他にも不安要素がいくつかあったからだ。

 

しかし、少なくとも金遣いに関しては、結婚したらきっとナオトの意識も変わるだろう。子供でも出来ればなおさら父親として自覚が芽生え、きちんとするだろう…そう今は信じたい。

 

それに仮にナオトとの結婚への不安要素が消えなくとも、この時の私には“ナオトと結婚する”という選択しか考えられなかったのだ。

 

私にとってナオトは初めての彼氏であり、交際期間ももはや約10年が経とうとしていた。そんなわけで、私は他の男性と付き合った経験がないのだ。いわば、私の青春の全てがナオトだった。

 

なので多少の“ひっかかり”は、ナオトとの結婚に対するブレーキにはならなかった。それじゃなかったらとっくに別れていただろうし。

 

今の自分の率直な気持ちも二人に伝えると、「心配だけど…でも、カンナがそう決めたなら、私達は祝福するよ。」「絶対幸せになってね!」と、最後には一緒に喜んでくれて…こんな友人達を持てた私は果報者だとつくづく思う。

 

私の事を親身になって考えてくれる人がいてくれるって、とてもありがたい。だけど、そんな人達の助言でさえ聞き入れられず、愚かな選択をしてしまう事だって時にはあるのだ。

 

 

不安のつきまとう決断

祝いの宴の帰り道、楽しかった余韻に浸りながら私は一人駅へと歩いていた。少し風が冷たいけれど、お酒で火照った身体にはちょうど心地が良い。

 

天を仰ぎながら、二人のあたたかい言葉と共に心配の声も思い出す。その言葉達と共に色んな思いが駆け巡る。

 

ずっと前から私の中で警報がずっと鳴り響いているのは気づいている。だけど、もう進むと決めたんだ。だから、引き返さない。

 

きっと全部うまくいく………よね?

 

小さく呟きながら、上を見た。希望と不安に包まれながら見上げる夜空は、青ざめたような満月だった_。

 

 

<次回に続く>

 

 

見えない力でブレーキがかけられていたりや不安がぬぐえない時、それはなんらかのサインなのかもしれない。

 

それでも運命に抗うかのように、強引に突き進んでしまうこともある。そして、運命に抗うことで、その代償を払う事もあるだろう。

 

しかし、そのことが人生を大きく動かすトリガーにもなるうる。人生の歯車が回り始めなければ、良くも悪くも何も始まらない。

 

何かが「ストップ」をかけても、自分の心がGOサインを出したなら、勇気を出して進むという選択だってある。

 

そして、誰がなんと言おうと、自分の選択こそがいつだって「正解」なのだ__。

 

 

Pick up “名曲キーフレーズ”

「ジターパグ」ELLEGARDEN より引用

「たった一つの事が今を迷わせているんだ 誰を信じたらいいのか気づけば楽なのに 初めからずっとわかっていた事があって そのレールは途中で途切れていたりするんだ」

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